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「地域」がGISで独自に地図情報を発信する
ESRI社が毎年サンディエゴで1万人の参加者を得て開催される夏のGIS国際大会では、大きく「Community
Geography」と謳われ、今、GISを用いた街づくりの事例を紹介するテキストや事例集の出版が花盛りである。行政も巨額の費用を投じてGISを整備しても、地図データは、このままでは地域のさまざまな場面で利・活用されない。「地図太郎」は一気にこの問題を解決し、「地図」が地域の活性化のツールとして、また、インターネットを介しての地域情報の発信を可能にする力をつくる役割を担う。
今回、「地図太郎」で横浜市泉区の「子供のための安心・安全マップ」(横浜市立中和田南小学校校外指導委員会)を作製した。従来、住宅地図などをコピーで拡大し、学校の通学路安全委員会が交通事故等の発生箇所の情報を貼り、地図として保護者に配布していたものだ。今回、筆者が泉区の通学路安全対策協議会の諮問委員としてボランティアで作製・協力した。ここで「地図太郎」ソフトを紹介し、PTAのお母さんたちが独自に地域の子ども安全情報を調査し、パソコンへの入力を行い地図を作製した。
基図には当初、国土地理院の数値地図2500を利用したが、地域の開発が目覚ましく、区を通して横浜市の都市計画図のDMデータを、また、読図性を上げるために市の財政局の最新のデジタル化されたオルソ航空写真を利用できたことは大きい。お母さんたちの「地図太郎」への習熟には時間はかからない。むしろ、市当局からの地図・写真データの変換、定義化に時間を要する。ワークファイルの保存が可能になり、格段に利便性が高まったといえる。
保護者の手によって作成された地域データは、その後、部分詳細図を作製しWordでの地図帳に、また、ホームページも作成し、デジタル化された地図の用途が大きく広がり、その威力が喜ばれた。ホームページは第11回マイタウンマップ・コンクールの「奨励賞」を受賞し、現在は泉区役所(http://www.city.yokohama.jp/me/izumi/shinkou/tuugakuro.html)にアップされ、市の教育委員会のページからもリンクされている。現在、作製に関しての他の学校区からの問い合わせ、作製希望の声が多く区に寄せられている。
パーベイシブGISとしての「地図太郎」
ESRI社の大会では行政・研究機関、NPOとGISで作製した何百枚という紙地図が展示されているが、それに混じって、学校や地域のコミュニティーがさまざまな地図を出展しているのに驚く。もはや、GISは地域分析のための高級な研究ツールではなく、地図作製のためのソフトになったということができる。「地図太郎」は、わが国のコミュニティーにGISの手法を浸透(パーベイシブ)させる有力なエンジンになることはまちがいない。
第11回「マイタウンマップ・コンクール」で奨励賞を受賞した「子供のための安心・安全マップ」(横浜市立中和田南小学校校外指導委員会作品)について、作製に参加した皆さんは次のような感想を述べています。
「横浜市内で初めての試みであり、学校や学校区の地域全体の理解・協力を求めることが大変でした。技術面ではフェリス女学院大学のGIS研究会の強力なサポートを得ることができました。"家庭での安全教育"の先駆けとなるよう、セキュリティを課題に今後も活動を続けていきます」
(「マイタウンマップ・コンクール」ホームページ掲載より)

地域の保護者が独自に子ども安全情報を調査・作成した地図
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