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マクロビオティックとは何か
ここ数年の間に、マクロビオティックは日本でも普通に知られるようになってきました。本来、「人として健康を保ち、幸福感に溢れながら長寿を全うする生活法」
といった概念を持つマクロビオティックの語源は、古典ギリシャ語に由来し、マクロ(macro)は偉大な・大きい・巨視的な、ビオ(bios)は生命、ティック[tic(s)]
は方法・術、といった言葉が複合的に集合して出来上がっています。古代ギリシャの哲学者、ヒポクラテスが使ったマクロビオスが最初と言われています。
マクロビオティックな生活を実践する際に、大切にしている事柄は@一物全体、A陰陽の調和、B自然な暮らし、C身土不二の4つです。
@一物全体
巨視的に大きく観るとか、食材全体(葉、皮、しっぽ、根など全て)のエネルギーや成分をいただこうといった意味に用います。実際には、ある現象が起こった際の問題解決法であったり、
台所で調理する際に白米でなく玄米を主食に、皮はつけたまま葉も捨てず、アク抜きや茹でこぼしもしないというように具現化されているものです。
A陰陽の調和
マクロビオティックと自然食やベジタリアンとの違いは、この「陰・陽」を「物指し(コンパス)」に活用しているところでしょう。易学(経)の陰と陽を、
森羅万象全てに含まれるエネルギー全てを二元に分けて符号として付けました。全てのものは二極を持っていて、それは環境や場において常に相対的に変化し
絶対性も完全な中庸もないという考え方です。陰性を一言で表現するなら遠心性のエネルギー、陽性とは求心性のエネルギーとして用いています。
この考え方は、調理や飲食の際には「体を冷やすもの。温めるもの」「体を緩めるもの。締めるもの」という分りやすい概念にして判断の基になっています。
B自然な暮らし
現代の日本のように文明・経済が発達(?)していると、気付かないうちにどんどん「自然さ」から離れた生活環境になります。これは個人的な暮らしも同様です。
働き盛りの世代は、とにかく目まぐるしく多忙ですから文明の利器に頼りやすい。食べ物も道具も交通手段、情報交換等全てにわたって時間短縮を図ります。
これらが心身をむしばんでいることの恐さが、今ひとつ認識不足のように思えてなりません。自然界の一員であるヒトは、自然なもの、
少なくとも自然からかけ離れすぎてないものを選んで口に運ぶことが、食における自然な暮らしであるという考えなのです。
C身土不二
最近、あちらこちらのレストランで見かけるようになった言葉です。昔から「地産地消」という言葉が日本にありましたがよく似ています。
つまり当地で採れた旬の物をいただくという考えです。穀類・野菜類・豆類・海藻類は収穫されるまでの生育期間に、土壌や海流、大気、雨、天体の様子等に
大きく影響を受けています。大地や宇宙の関わり合いという「自然環境の化身」と言っても過言ではないでしょう。そこで暮らすヒトの体内環境、
つまり小宇宙とそれをとり巻く自然環境、つまり大宇宙の化身とは、同じ性質のエネルギーである方がヒトは快適であり、体内においても違和感なく営みが進むのです。
熱帯・亜熱帯産の飲食物は体を涼しくして、しのぎやすく暮らせるよう図られた物が多い。つまり体を冷やすものが多いのです。香りが良く、糖度の高いもの、
油脂分の多いものが多いので、温帯地域に暮らす私達が頻繁にとると、不調になり、気付かないうちに深刻な症状になっているという例も少なくありません。
反対に極地や寒冷地域ではその気温の厳しい低さから味の濃い料理や動物性食品の陽性さが必要になります。ところが温帯地域に住む私たちが同様な食生活を継続していると、
細胞、組織、器官は締まりすぎて主に循環器系や消化器系に重大なトラブルが生じることでしょう。
近年ますます世界が縮まり、生鮮食品や加工食品が地球の真反対からも簡単に輸送されてきます。代金を払えば好きなだけ口にすることができます。
ところが「身土不二」という自然の法則に逆らうことになり、昔にはなかった病気や社会現象を引き起こしています。そういう困った事態を思うにつけ、
見る「食育」として、地域の・日本の・世界の「穀菜地図」(身土不二のススメ)が世に現われ、日本中の台所の壁に貼られることが私の夢の一つです。
筆者と東京カートグラフィックが共同で作成中の穀菜地図(イメージ)
生活のなかに「穀菜地図」を
穀菜地図は、赤道と両極の間にある熱帯・亜熱帯・温帯・寒(冷)帯地域はパステルカラーで色分けされています。その上に、
日本で多く輸入されている穀類や果物・野菜・ナッツ・種子類をイラストでやや大きめに載せ、そこには日本との距離を表示します(エネルギー経済との関連)。
次にやや小さめのサイズのイラストで、ご当地主産物(穀類・野菜・果物・伝統食品)を載せます。これには距離は必要ありません。
今、日本国民がよく食べているバナナは安価で甘い間食になっています。バナナやトロピカルフルーツを穀菜地図で見ると熱帯・亜熱帯産で
日本から相当離れていることでしょう。そして暑い国の食べ物なので、日本(四季がはっきりした温帯地域)で食べ続けると体内環境をすっかり冷やしてしまい、
食べ続けているとさまざまな症状が出てしまいます。さらに、遠距離から運ばれてくるので、業者の方々は鮮度を保つために化学物質を使うかもしれません。
またこの日本までの距離が表示されている穀菜地図の上で別の見方(エネルギー経済的)をすると、物流の際にどれだけの石油が使われているか。
それまでは換算できなくても、国内産の果物を食べる場合との比較はできるでしょう。
この穀菜地図は、旅行や出張・転居・移住の際に大いに役立ちます。目的地についたらすぐ快適に観光や仕事など取り組むことができるから。「身土不二」の考えを応用して、
現地で生産される物を現地の陰陽にそって食べ合わせるのがコツです。私は海外に出かける日のギリギリ間際まで仕事をしていることが多く、現地に着いたらすぐに活動を始めます。
時差ボケはありません。東京に住んでいる時も、福岡へ出張するのも、アメリカ、ヨーロッパ、アラスカどこでも同じ感覚でヒョイヒョイ。心身のペースは微動すらしないのです。
いろいろな意味でその地域の気候・風土に合った食生活を自然の営みに準じて行うことが大切です。高速な流れを感じる現代的時間の中で、生命をつなぎ、心身を操っている
「食べ物」の意味を考えてみることは大いに意義がありましょう。世界地図や近未来に出現してくるであろう「世界穀菜地図」を眺めながら、気候風土の違いを思いながら、
この食べ物の由来(原産)はどこなのか、生産国は? そして、今自分のすみかであるこの体に、最適な飲食物の選択をしているかということを。
地図はマクロビオティック実践者にとって強力なコンパスの一つであり、さまざまなイメージの発想源として頼もしいかぎりです。
最後になりますが、あらゆる面で満足度の高い人生を期待されている方、現在ガンや生活習慣病、その他の病気でお悩みの方、あるいは予備軍の方々に、
私のこの寄稿がきっかけで食事=健康維持、または治療の一つとして認識を新たにしていただき、今後のマクロビオティックにますます関心をお寄せいただければ幸いです。
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